映画との出会い

※映画のネタバレを含みます。

初めて映画館にいったのは、かなり子供の時だったと想う。幼稚園の時だったか。

見たのは「東映マンガまつり」だった。母に手をひかれ入った映画館。

ブラウン管でしか映像を見たことのない自分にとってはすべてが印象的だった。

動画を見ることそのものが贅沢でありエンターテインメントとはこういったものだという基礎が自分に染みこんだ瞬間だったとも言える。

子供から見ると大きくて重い扉。上映途中での館内への入場。今では考えられない。

monster1明るいところから、防音の遮蔽ドアを押し開けると、全くの別世界だった。暗闇に映像と大音響。

全く違う体験世界への侵入は、今のVRと共通するようなワクワク感や高揚感があった。
心の高揚感とうらはらに暗い館内を転ばず歩こうとする。

無理やり入ってくる耳への大音響や、気になって仕方ない大きな映像の光に、なんて素晴らしいものなのだろうとニヤケたものだ。

その後、何度も映画鑑賞を母にせがむようになり、「ゴジラ対メカゴジラ」を見に行った。

その迫力と興奮に、帰り道の食事処で母親に熱く語っていた。母も自分の新しいものの見解に耳を傾けて不思議そうに感じていたに違いない。

しかし本当のカルチャーショックはそこではなかった。

自分が初めて衝撃を受けたのは、「スターウォーズ 帝国の逆襲」を見た時だ。

いつも母親は自分に入場前に尋ねていた。「今は途中だけど区切りのいいところで入場しようか?」と。

自分の答えは決まっていた。「途中でいいから入りたい」と口説いたものだ。

途中入場は当時普通だった。

現在の入れ替え制のシネコンしか知らない人がその環境に晒されれば、腹をたてるだろう重要シーンに途中入場した。

まさにダースベイダーがルークに、「私がお前の父だ」と告げるシーンだった。amanogawa

巨大なスクリーンに映るベイダーの顔。アレンジのかかったあの声。巨大な吹き抜け。青みの掛かった未来空間の光源色。風の音。

「なんだこれは」

その衝撃的感動たるや、席につくまでの暗闇を歩く自分の足を止めた。

そこで口をあんぐりあけながら画面を凝視し、空間に飲み込まれるままに自分の体をさらした。

「これが映画なのだ」と、その時初めて感じた。

その後、ダーククリスタルや、エイリアン、トロンなどSFものを見ることにとてつもないワクワクを感じ、見た後に友人と語ることが大好きになった。

今思うと、巨大な画面でコンテンツを見たいだけではない。やはり空間は必要なのだと想う。

中学生のとき家電量販店やうどん屋でバイトをして、中古のプロジェクターを購入。半年分ぐらいのバイト代がまるまる飛んでいったと記憶している。

部屋に大画面で映し出し、鑑賞したものだ。

でも映画館には勝てない。あの雰囲気を味わうコトが重要なのだ。

最近は映画のカメラも数千万近くするものから、デジタルで撮影することができ、フィルム現像も必要ないREDというものが登場し、250万ぐらいの価格で購入できるため制作会社にも大変動があった。

でもやはりデジタルで撮られたものと、フィルムでとられたものはぜんぜん違う。

そこにある迫力感は何かが違うのだ。

フォースの覚醒がすべてフィルムで撮影されていることや、ミレニアム・ファルコンの実物大を作成して撮影に挑んだJJには頭がさがる。

全編CGの映画や、CG多用の映画も、上手に現実と溶けこませているが人間の感覚はよほど敏感なのだろう。

どれだけ今後VRが発展しても、空間を用意する迫力感や、現実感には及ばない。

その種となるコンテンツを大量に保持していながら空間を提供しきれていない我が国もとても残念だ。例えば大きな画面でCGのキリンをみるのと、作り物だと簡単にわかるキリンの実物大造形をみるのと、動物園で生キリンをみるのと、サバンナで本物をみるのでは、それぞれに受ける印象や肌感は違うのだ。

それぞれにおいて長所短所がある。

どれも個人的には好きだが。

話がマーケっぽくなってきたので映画に戻す。

映画館じゃなくてもイイと思わされる良質な映画も数多く存在する。

今、個人的好きな作品トップは「グラディエイター」だが、歳をとるにつれ、「7つのおくりもの」や「キャスト・アウェイ」などが大好きな作品になっている。

ただスターウォーズは映画の出会いの中では特別なものになっているので、好きなランキングには登場してこない。

あれは特別だ。

初めて見るものではなく、衝撃を受けたものを印象に残しているいい例だ。

あの時の映画館の迫力や感動、空間に飲み込まれる、大げさではなく生まれ変わるような疑似体験をわすれずにいたい。

その時の自分の顔を想像すると、ドキドキする。

cinema1コンテンツを提供した相手が、あんな顔をしてくれたらどれだけ嬉しいだろうか。

まだその領域には達せていない。

JJや、ルーカスや、ゼメキスが到達した向こう側はどんな世界なのだろうか?

ウォルト・ディズニーからみた観客の顔はどうなのだろうか?

幼少の頃に憧れた宇宙飛行士とちがい、クリエイティブを提供したいと考えている自分がもっと幼いように感じている。

未知の好奇心を刺激する世界は、自分の人生観も変えてくれる。

その場にいることができない、フラストレーションを動画で我慢することは多い。

映画もコンテンツもきっと空間ビジネスがゴールだろうと信じてやまない。

みずんた

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